「園長先生!
あたし 今の彼と別れる気はないので」
ここはきっぱり伝えた。


「あはは そーだわね
あはは」


笑ってごまかしている先生。


先生は先生なりに
あたしを心配してくれてるみたいだけど。


この前も勇さんの妹さんのことで
不安になった時の次の日
私の様子が【暗い】と
すぐに気づいたのは園長先生。


「いつでも相談にのるよ」
とこの話は締めくくられ
料理を堪能したのだった。


ご飯を食べながら
行儀悪いけれど
携帯のスポーツアプリで
試合を確認する。


今日も勇さん安打を打ってる
ヨシヨシと頷いていると
「何なのそれは?」
と園長先生が覗いてきた。


「これはですね
一球速報が見れるんですよ」


「へぇ」


園長先生は60歳手前
携帯は電話できたらそれでいい!と
言うタイプで やっと最近
ネットの良さが分かったとか。。。


「何もかんも便利な世の中ね」


「そーですよ
携帯さえ持ってれば何を忘れても
大丈夫なので」


「お財布はいるでしょ?」


「最近はですね お財布携帯って言って
クレジットで払えちゃうんですよ」


「落としたら大変じゃない!」


「そーですけどね」


「時代の流れねぇ」


感心する園長先生。


「あなたに色々教えてもらって
わたしも時代に乗ろうかしら?
インスタ映え?そんなものも
やってみたいわ」


「いつでも いいですよぉ〜
先生がインスタって言うのも
楽しそーです」


先生はよくお休みに色んな所を
旅してるからいい写真も
撮れるだろうし。


でも 操作とか 教えるの大変そう
うちの親も大変だったし。


先生といっぱい話して
いっぱい食べて
そしてちゃっかり奢って貰っちゃって
そしてそして駅とは言わず
家まで送って貰ったのだった。