「…じゃあ、家に着いたらメッセージ送れよ」



「え、」

「あと何かあったらすぐ電話しろ」

「わ、わかった!また明日ね!」



なんだかびっくりしてしまって、慌てて教室を出る。


……すごく、心配してくれてるのかもしれない。

そりゃあ、あんな夜中に呼び出されたら迷惑だったはずだし、もう嫌だよね…。

申し訳ないことしちゃったな…。


そう思いながらも、心配してくれたという事実に心がふわふわと甘くなるのは、不謹慎だろうか。



家に無事に着いて、茜くんに『家につきました!』とメッセージを送ったら。

『そう』とぶっきらぼうな返事が帰ってきたけれど。


いつもの数倍早く既読マークが付いたことに。
いつもは来ない返事が返ってきたことに。

私の頬が緩むのは、仕方ないことだと思う。