なにそれ。なんだそれ。 ……ずるい。 「茜くん、実はめちゃくちゃ私のこと好きじゃん」 「うるさい」 口は悪いけれど。 ぶっきらぼうな口調だけれど。 否定はしないところが、茜くんの本音だって。 私、わかっちゃったよ。 「茜くん、大好き!」 「はいはい」 「茜くんも言ってよ」 「もう言わねー」 外では、後夜祭の花火が打ち上がる。 ピンク、赤、黄色、緑。キラキラと輝く光が、私たちを甘く照らす。 ふたりきりの後夜祭で、2度目のファーストキスをして。 私はまた、きみの甘い魔法にかかる。