『……桃』 朦朧とする意識の中で。 大好きなきみが、2度目の私の名前を呼んだ声が。 そっと近付いた、茜くんの体温が。 そして、唇に触れた、優しくて甘いそれが。 気のせいだったのか、夢だったのか、私の都合のいい妄想だったのかは分からない。 私は睡魔に身を任せながら、茜くんと初めてのキスをする、そんな幸せな夢を見ていた。