パクチーの王様


 母たちは、式のことばかり気になるようで、いろいろ訊いてくるが、やるかどうかもわからない式のことなど、答えようもない。

「なんだ。
 なにも決めてないの?

 じゃあ、いつ結婚するのよ」
と母はだんだん不機嫌になってきた。

「早くしなさいよ。
 途中で破談にされたらどうするの。
 逸人さんはあんたと違って、いいお話がいっぱい来るのよ」

 ……まったくですよ。

 私と結婚する必要など何処にもない人ですよ、と思いながら、取っておいたイチゴを翔平に食べられそうになりながら、ケーキを食べていた。

 気がつくと、兄と逸人、そして、それについて父親は、中庭に出ていた。

 この間、父親の趣味で作った足湯があるのだ。

 ライトアップされたそこに入り、三人で談笑している。

 というか、兄と逸人が話していて、父はそれを眺めている。

 大丈夫だろうかな、とハラハラしながら見ていた。