パクチーの王様


 たまたま、出くわした神田川に説得されたようだっだが。

 まあ、マスコットみたいな神田川さんに、
「戻りましょう」
とか言って、微笑まれたら、逆らえないもんなー。

 ゆるキャラに言われてるみたいで、と思いながら、ニッコリ微笑んで去っていく神田川を見送った。

 罰が悪そうにしている日向子をチラと見て、富美が言う。

「……私だって、好きでこの人と結婚した訳じゃないのよ」

 ええっ? お義母様っ、今、言うっ?
と芽以は富美を見た。

 お義父さんが呆然とされてますけどっ?
と思ったとき、富美は日向子を見ずに言ってきた。

「でも、今では、私が一生を共にするのは、この人しか居ないと思ってる。

 ……まだ若いのに、結論早すぎなのよ、貴女たちは。

 人生は長いのよ。
 何度でも、何処からでもやり直せるわ」

 一度は、ほっとしかけた光彦だったが、すぐにまた、やり直す気かっ? という顔をしていた。

 なんだかんだでラブラブなようだ、と思い、笑ってしまった。