あのっ、上に圭太が居るんですけどっ、と慌てたが、静が即行、
「やだ」
と言う。
「言ったじゃない。
僕、めんどくさいの嫌いなんだよねー。
幾ら美人でも、婚約者が居る女なんて勘弁だよ」
あっそ、と言いながら、日向子がチラと天井を窺ったのに気がついた。
もしかして、日向子さん、わかっているのだろうか?
っていうか、もしかして、圭太が此処に居るのを知ってて来たとか?
素直じゃない人だから、圭太は何処? とも言えないまま、視線でウロウロ探していたのかもしれないな、と思う。
「あーあ。
好きな人をイチコロに出来る惚れ薬とかないかしらねー」
と言う日向子に、
「そういえば、パクチーは昔、媚薬として扱われていたそうですよ」
と芽以は答える。
「……でも、圭太、パクチー嫌いじゃない?」
「そうでしたね」



