パクチーの王様


 逸人が、サラダのためのフォークを手に、
「……これで突き殺すのに、ちょうど良さそうなサイズのネズミがな」
と呟いていて、ちょっと怖かった。

「っていうか、私、結構モテるんですけどねっ?」
と日向子が静に喧嘩腰に言うと、静は、

「だろうね。
 顔にそう書いてあるよ。

 私は、いい女ですって」
と笑う。

 ……特に悪気もなさそうだった。

「まあ、いい女はいい女なんだろうね。
 街歩くと、みんな振り返るだろうね」

 淡々と言う静に、日向子は、

「いい女だと思っているのなら、貴方、私と付き合ってみる?」

 物の弾みか、喧嘩のついでか。

 そんなことを言い出した。