錯乱して、二人を結婚させてしまったものの。

 だんだんと仲睦まじくなってくる二人を見ていて、さすがの圭太も少し正気に返ってきた。

 思えば、逸人は完璧な弟だ。

 重役たちの間に、未だに、逸人社長待望論があるのも確かだ。

 そんなことを悶々と考え続けていたので、下に新たな訪問者が現れ、妙な騒ぎが起きているのにも気づかなかった。