かけたのを見たことがないからだろう。 いや、持ってはいるのだが、ほぼ伊達眼鏡みたいなものなので、あまり必要のないものだ。 芽以は小首を傾げながらも取りに行ってくれた。 それを確認したあとで、振り返り、圭太に言った。 「兄貴。 日向子と結婚すると覚悟を決めたのなら、日向子を大事にしてやれよ。 結婚が決まる前より、不安定になってるぞ、あいつ」 じゃあ、もう帰れ、と言うと、逸人は急いで中に入り、ドアを閉めた。