パクチーの王様


 そういえば、今日もパクチー嫌いしか集まっていないのだが、この店は大丈夫だろうかと、ふと思ったとき、日向子が言った。

「ところで、あれはいいの?
 無駄に逸人を疲弊させてるだけに見えるんだけど」

 あのバイト、雇う意味あるの? と。

 逸人がホールのことや料理のことを教えても、彬光は、なかなか覚えられないようだった。

 しかも、悪びれた様子もなく、すみません~と言いながら、笑っている。

「可愛いんだけど。
 究極使えないわね」

「……そのようですね」

 でも、そういえば、ファストフードの店で働いていたとは聞いたが、そこで重宝されていたかどうかは聞いてなかったな、と今更ながらに、気がついた。

 だが、十日までには、使えるようになってくれないと困るのだが。

 その日は、芽以は会社の方に行かねばならないだからだ。

 そんなことを考えていたとき、芽以は、窓の外を通りかかった人物と目が合った。