圭太、どうしたんだろうな、と思いながら、芽以は、窓際の席で、シャンパンとちょっとした料理を前に、向かい合って座る逸人と圭太を厨房から眺めていた。

「芽以、来い」
と逸人に呼ばれ、はい、と行くと、逸人の隣の席に腰掛ける。

 すると、圭太が恨みがましい目でこちらを見た。

「何故、そっちに座る、芽以……」

 そういえば、前は、三人で居ても、無意識のうちに、圭太と並んで座ってたな、と思い出す。

 いや、でもね。
 今は、逸人さんと夫婦なんですよ。

 しかも、貴方の命令により、と思っていると、圭太は、
「芽以。
 まさか、逸人とも手をつないだりしてるんじゃないだろうな」
と言ってきた。

「幼稚園児か」
と逸人が言う。