パクチーの王様

「『ねーちゃん、僕、めーちゃんと結婚する』ってずっと言ってたのにねえ。
 可哀想に」

 圭太……。

 ちょっとしんみりしてしまった。

「でも、芽以、乗り換えるの早いわね」
と砂羽に言われ、芽以は、ええっ? と彼女を見た。

「さっきからの仕事ぶり見てたら、息の合った若夫婦に見えたわよ。
 あんたも圭太のこと、少しは好きだったんでしょうに」

 気持ちいいくらいズバズバ言ってくれるなー、と苦笑いしながら、
「いや、乗り換えたとかじゃ……」
と芽以が言いかけると、逸人が後ろから援護射撃をしてくれた。

「そうだ、姉貴。
 芽以は俺に乗り換えたわけじゃない」

 逸人さん、ありがとう、と振り向こうとした瞬間、逸人が言った。

「圭太に捨てられただけなんだから」

 援護射撃どころか、後ろから撃たれましたよ……。