「今度はゆっくり食いに行くよー」

 手伝いの礼をあれが開店祝いだと断った兄が、帰り際、見送りに出て言う。

「はい、ぜひ。
 ご馳走します」
と逸人は言ったが、聖に抱っこされた翔平は、

「パクチーきらーい」
と言っていた。

 翔平ー。
 私もー、と笑顔で手を振りながら、芽以は思っていた。