『私が様子見てきてあげるからー』
と言っている。

 そういえば、親がなんか取りに来いとか持ってくるとか言うから、砂羽に来させろと言ったんだったな、と思いながら聞いていた。

 いや、砂羽は砂羽で、厄介な奴なんだが……と思ったとき、
「逸人さん、今、電話かかりませんでした?」

 お問い合わせのお電話ですか? と言いながら、芽以が二階から下りてきた。

 逸人は無言で電話を切ると、
「ああ。
 問い合わせの電話だった。

 もう済んだ」
と言う。

 なんで会いに来ないんだという圭太からの『お問い合わせ』だった、と思いながら。