パクチーの王様

「芽以たちも来てたの?

 あけましておめでとう。
 着物、可愛いじゃない。

 あら?
 圭太は?」

 何故、必ず、圭太がついていると思っているのですか……。

 そのとき、おーい、ママー、と行列が出来ている福引きのところから子どもの手を引いたご主人が誉を呼んでいる。

「あー、ごめん。
 順番だわ。

 今度、うちにも遊びに来てね。

 三月に家が建つのよー」

「えっ、ほんとっ?」

 仕事に就いたり、結婚したりすると、友だちとも、そんなに頻繁には会えなくなるので、しばらくぶりに会うと、環境が激変していたりする。

 ……っていうか、私がそうか? と思いながら、行こうとする誉に向かい、慌てて叫んだ。

「あのさっ、中通りにパクチーの店が出来たのっ。
 行ってみてー」

 すると、
「パクチー苦手ー」
という声が遠ざかっていった。