水澄《みすみ》に、いつも、
『芽以ちゃんのメール、男らしいわ~』
と言われる短さだ。

 いや、ちゃんと絵文字も入れてるんですよ、一応、と今居ない水澄に向かい、弁解しながら、起き上がる。

 そして、気づいた。

 そういえば、昨日、布団の上に、ぱたっと行き倒れて寝た気がするのだが、いつの間に、布団の中に入っていたのだろうかな、と。

 寒くて、もぐりこんだのかな? と思いながら、一階に下りると、もう、逸人は厨房に居た。

 ……いやー、なんかこの顔と真っ白なコックコートを見ただけで、新年でなくとも、身の引き締まる思いがするな、と思いながら、
「あけましておめでとうございます」
と頭を下げると、

「あけましておめでとう。
 芽以、開店まで、まだ時間があるから……」
と言いかけ、逸人は言葉を止める。

 再び、視線を鍋に戻し、
「向こうに朝食は用意してある。
 すぐに行け」
と言ってきた。

「えっ、ありがとうございますっ」