再殺動

『ゲームは保存しました。ところで、道葉有という人物をご存知ですか』

「唐突だな。てか誰だよこんなことさそてくるやつ。乗っとりかよ、趣味悪いな。で、ゲームは続きからできんだろうな」

「はい。可能です。道葉有という実物をご存知ですか」

「うちの学校の生徒だったら知らない奴はいねえよ」

『道葉有から始さんに伝言を預かっています』

「は? なんで俺に? 全く接点ないしなんでスマホに伝言とか頼むんだよ、普通に考えておかしいだろ。誰だよ俺の伝電話乗っ取ってんの」

誰がこんなことをしてくるのか始には全く思い浮かばなかった。

『学園ドラマが決まったそうです。彼氏に突き落とされて階段から落ちるシーンがあって、その突き落とす役を始さんにお願いしたいそうです』

「っはー? 意味わかんねえ、なんでそんなもんを俺に。しかも俺の聞いてることガン無視だし」

『下で支える人もいます。他の人だと第三者に漏らしてしまう可能性もありますが、始さんなら安心だからだそうです』

「だから話したこともねえって言ってんじゃん。誰だよ面倒くせえな」

思わず怒鳴ってしまった。慌てて、部屋の外に誰か来ていないか息を殺して気を張った。

運良く誰も部屋に入ってくる様子はない。