違う。
違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う。
俺じゃない。俺のせいじゃない。なんだよこれ、話が違うだろう。こんなことになるなんて思ってもみなかった。まじ、勘弁してくれよ。
『始』は頭を抱えた。階段の踊り場から動けなかった。
朝の校舎内はシンと静まりかえっている。
ズボンのポケットの中に無意識に手を入れた。そこにスマホがあるのを確認する。喉の奥を唾を飲み込んで無理矢理湿らせ、もう一度視線を落とす。
廊下の下にはさっきまで話していた相手が不自然な形に曲がって倒れている。
ゴキュッと何か太い棒が折れるような音を聞いた直後、道葉有はぱたりと動かなくなった。
自分が突き落としたことが原因なのは分かりきったことだが、その現実から目を背けたい。
階段の踊り場から見下ろす有は見た限りでは死んでいるように見える。
側に寄るべきかどうか迷って階段を一段降りてはまた戻る。そんなことを繰り返していた。
このままではやがて登校してくる生徒に見つかってしまう。
もう一度ズボンのポケットに手をやったとき、短く振動した。
違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う。
俺じゃない。俺のせいじゃない。なんだよこれ、話が違うだろう。こんなことになるなんて思ってもみなかった。まじ、勘弁してくれよ。
『始』は頭を抱えた。階段の踊り場から動けなかった。
朝の校舎内はシンと静まりかえっている。
ズボンのポケットの中に無意識に手を入れた。そこにスマホがあるのを確認する。喉の奥を唾を飲み込んで無理矢理湿らせ、もう一度視線を落とす。
廊下の下にはさっきまで話していた相手が不自然な形に曲がって倒れている。
ゴキュッと何か太い棒が折れるような音を聞いた直後、道葉有はぱたりと動かなくなった。
自分が突き落としたことが原因なのは分かりきったことだが、その現実から目を背けたい。
階段の踊り場から見下ろす有は見た限りでは死んでいるように見える。
側に寄るべきかどうか迷って階段を一段降りてはまた戻る。そんなことを繰り返していた。
このままではやがて登校してくる生徒に見つかってしまう。
もう一度ズボンのポケットに手をやったとき、短く振動した。

