再殺動



「嘘でしょ。信じらんないんだけど」
「まじか……よ」

カラオケボックスで会ったトムと瑠璃はお互いに固まった。なぜかその顔は青くなっているように見える。

「なになに、二人とも知り合いなの?」

何も知らないミカは固まっている二人の顔を交互に見やり、トムの友達に目をむけ、にっこりと笑った。トムの友達二人もまたイケメンだ。

「なんだよトム、お前知り合いだったならもっと早く言えよ」

腕をおもいきり叩かれてもトムは瑠璃をきつく見たまま動かない。

「ちょ、トム、いい?」

固い空気を切ったのは瑠璃だ。トムの腕を掴み、そのまま外へ走るように出ていった。

「あの二人、知り合いなんですか?」

ミカが不思議そうにトムの友達たちに聞くが、二人とも首を傾げ、「ぜんぜん知らない」と、走っていった二人の後ろ姿を追うばかりだった。