お前の妻は畑を掘り返したいとそう言った。
 でも一人じゃ無理だ。二人なら、そして相手が男ならなにかと心強い。それでその男に頼んだんだ。

 掘り返していくうちにその男は今までに起こったニュースを思い出し、こう思ったそうだ。

「ここに埋まってるのって、もしかして、もしかしたらだけど俺の……」

 男は体が震えた。もちろん女の方も同じさ。信じたくなかったんだ。そんなことは思いたくなかった。
 だから、掘る度に出てくる土色をして指のような太くて短いものではなく、頭を探したんだ。頭だけを探した。ちゃんと確認したかったからな。

 何日もかけてお前が睡眠薬を盛られてすやすやと眠っている間に畑中を掘り返して頭がどこに埋まっているか探しまくった。
 それで、ようやく最後に見つけたんだ。

「二人は泣き崩れた。顔はもう男か女かの区別もつかなくなっていた。でもな、お前が最初の頃に殺したこどもは服を着せたまま埋めただろう? その服をみつけたときにやはりそうだと確信したんだ。この辺りで昔、こどもが連れ去られた事件を覚えていた。お前の妻はな、それを見て、自分の死んだ妹のこどもだって気づいて泣き崩れた。手伝った男ってのは、妹が子を産んでからすぐに別れた旦那だ。すごい偶然だな。これだから人間は面白いんだよ」

 と楽しそうに笑った。