「そこなんです。あたしたち猫は可愛い生き物なので、ちょっと猫なで声を出せばすぐにエサにありつけます。人間なんてチョロいもんです。でもね、生死を彷徨ったときに助けてくれた恩は絶対に忘れない生き物なんでございますよ。自分の命を助けてくれたということは、この命は一回死んだも同然、我が身を滅ぼしてでも助けてくれた主を助け返すのが猫の恩義ってもんなんです」
犬飼も初めて聞いたようで、これには目をまん丸にして口をあんぐりと開けている。
三人も、これはこれはと唸った。
ただディスっているだけではなかったのだ。猫なりのやり方があったのだ。
「猫夜がそんなことを考えていたなんて今の今まで思わな、」
「頭が回らないからわからなかったんでしょう」
犬飼のことばを猫夜が被せ気味に遮った。
猫なりの照れなのかもしれないと昭子はひっそりと胸の内に思い、猫夜に一度ゆっくりめの瞬きを送る。もちろん軽く無視された。
「しかし」
猫夜はこたつの上に置いた手をもじもじさせた。そして続ける。
犬飼も初めて聞いたようで、これには目をまん丸にして口をあんぐりと開けている。
三人も、これはこれはと唸った。
ただディスっているだけではなかったのだ。猫なりのやり方があったのだ。
「猫夜がそんなことを考えていたなんて今の今まで思わな、」
「頭が回らないからわからなかったんでしょう」
犬飼のことばを猫夜が被せ気味に遮った。
猫なりの照れなのかもしれないと昭子はひっそりと胸の内に思い、猫夜に一度ゆっくりめの瞬きを送る。もちろん軽く無視された。
「しかし」
猫夜はこたつの上に置いた手をもじもじさせた。そして続ける。

