「……で、話って?」
先生は片膝をついて、リビングのテーブルの前に座った。
「戸上さんと池谷くんの動画を見ましたか?」
まずはどうしてもこの件を確認しておきたかった。
「は?見るわけないだろう」
先生は目の前に置かれた飲みかけの缶ビールに手を伸ばす。
部屋に入った瞬間からアルコールの匂いがしてたけど、どうやらこの時間から何本ものビールを飲んでいたようだ。
「でも、自分が予告されたことはご存知だったんですよね?」
じゃなきゃ、あの時点でもっと取り乱していたはず。
「通知は確認してるよ。でも動画は見てない。戸上や池谷に関わらず今までのものだって一回も再生すらしてないよ」と、先生はビールを一気飲みして言った。
恐怖心を隠すようにお酒に頼る先生は、たぶん嘘はついてない。
じゃあ、なんで戸上さんたちは制裁されたの?
先生が動画を見たからじゃなかったの?
「大体俺はうんざりしてるんだよ。学校で教師っていう仕事をしてただけなのになんで俺がこんなことに巻き込まれなきゃいけないんだ!」
そう言って先生はバンッとテーブルを叩いた。



