【いや、お風呂入ってて今動画見たんだけど、なにあれ!私じゃんwwでも、あんなの撮った覚えもないし、私が作ったやつでもないよー】
【生きてないほうがよかった?】
【ごめん。みんな。期待を裏切って(笑)】
三つ連続で送ってきた麻生さんのメッセージに、みんな安心したように明るいスタンプを押しまくっていた。
……動画、麻生さんじゃなかった?
やっぱりCGがなにかで作ったものだったの?
『ね、ねえ。あず。なんかみんな何事もなかったようにしてるけど、変だよね?』
スマホのスピーカーからちづの声。
「うん。あの動画は明らかに作り物じゃなかったよ」
『そ、それもそうなんだけどさ……』と、ちづの声が曇る。どうしたの?と尋ねる前にちづは『動画を送ってきた人のアイコンを見て』と言った。
そういえば動画のインパクトが強すぎて、送ってきた人を確認してなかった。私は流れていく会話を遡るようにして指を上にスクロールさせる。
……ドクンッ。
動画を見た時よりも大きく心臓が跳び跳ねた。
「な、なんで……」
そう私が呟いたところで、クラスメイトたちも徐々におかしいことに気づきはじめる。
【なあ、動画送ってきたの、スケコなんだけど】
ひとりの男子生徒の言葉で、あんなに続いていたメッセージの会話がぴたりと止まった。
顔なんて見えるはずがないのに、みんなの固まった表情が目に浮かぶ。
――幾田透子(いくたとうこ)。通称、スケコ。
1か月前まで彼女は私たちと同じ1年A組のクラスメイトだった。



