「ねえ、ちづはなんでこの3日間なにも起こらなかったと思う?」
さっきからずっと頭に引っ掛かってること。
「……わかんないけど、学校も休みだし、みんなが集まってないと反応を楽しめないから、とか?」
たしかにそれも一理あるかもしれない。
今までの執行はすべて私たちの目の前で起きたし、恐怖や幾田さんへの後悔を植え付けるには十分だった。
私も色々と考えて場所や時間などが関係してるんじゃないかって思った。
おそらく幾田さんは苦しい思い出しかないA組の教室が嫌いだった。だから、教室を惨劇の場所に選ぶという道理は理解できる。
でも麻生さんや高野くんは教室だったけど、河口さんたちは馴染みのない理科室で執行されたから、教室にこだわっていたわけじゃない。
それに予告動画はたしかに夜に送られくるという統一性があるけど、執行時間はバラバラ。
麻生さんの時は朝のホームルームが終わったあと。高野くんは昼休み。河口さんたちは聴取が終わったあとだったから多分昼過ぎの1時半くらいだったと記憶してる。
時間や場所ではない。私の勘だと幾田さんは反応を楽しんでるわけでもないと思う。
じゃあ、どうしてこの3日間は平和だった?
もっと単純で、見落としてしまいがちな簡単なことだと思うのに、焦りからか頭の回転が悪い。



