なんで幾田さんは予告を執行しなかったのだろう。
警察に捜査されてるから?
騒ぎが大きくなってるから?
いや、そんなこと初めから気にしているのなら、あんな明るい時間に恨みを晴らしたりはしない。
今まではやっていて、この3日間はやっていないことってなに?
なんだかものすごく初歩的なことな気がする。
「大丈夫かい?」
難しい顔をしていたせいか、清水さんが心配してくれた。こくりと頷くと清水さんは話を続けた。
「我々も捜査は続けていくつもりだし、一連の動画についての究明も全力でしていく。なにかあったらいつでも連絡して」
「はい」
名刺をくれた清水さんに一礼をしてドアを閉めたあと、私は急いで自分の部屋に向かって、スマホに充電器を差し込んだ。



