「この動画って見なきゃいけないのかな。見ても見なくても結果は変わらないんじゃないの?」
ちづはもう残酷な動画を見たくないらしい。
私も、このままスマホの電源を切ってしまいたい。
けれど、ひとりずつ予告されるという私たちが勝手に思っていたことをあっさりと覆(くつがえ)されて、これからどんな方法で幾田さんが仕掛けてくるか分からない。
もしかしたら、次は残りの全員が予告されるかもしれないし、分からないまま身体を縮めて怯えるより、私はこの連鎖を止める方法を見つけたい。
「……私は見るよ」
幾田さんがどれほどの恨みを持って屋上から身を投げたのか。
死んでも解放されることのない苦しみを与えた私たちだからこそ、逃げてはいけないと思う。
ちづは動画の声が聞こえないように耳を塞ぎ、体育座りをしている膝の上のクッションに顔を埋めた。
私はそれを確認したあと、ひんやりと冷たくなっている人差し指で動画をタップした。



