予告動画





「いや、きっかけは高野だったけどさ、森元たちは幾田の胸とかわざと触って暴言吐いてたじゃん」と、ため息をはいたのは、麻生さんと友達だった仲谷さん。



「たしかに。森元たちのはちょっとやりすぎだったかも」と、加勢するように磯山さんも言う。



「あ?そういうお前らこそ陰湿なことしてただろーが!」


「私たちはブスとかしか言ってないもん」


「今さらなに言ってんだよ。幾田の眼鏡とかわざと壊したこともあっただろ。俺たちはすぐ飽きたのにしつこく幾田をいじめてたのはてめえらだろ?」


森元の怒号が教室に響く。



スクールカーストの中で、一軍、二軍、三軍と順位づけをするのなら、森元、武政、井口は男子の一軍。


麻生さんと同じグループだった畑さん、仲谷さん、磯山さんは女子の一軍と言っていい。



目立つ人たちが一触即発の雰囲気になり、二軍や三軍の生徒たちは八つ当たりされないように息を潜めていた。

すると、知らん顔している生徒たちのことを森元が睨む。




「つーか部外者面してるけど、お前たちだって幾田のこと笑ってたよな?」

「………」



たしかに一軍の人たちには逆らえなくても、三軍よりも下の立場にいた幾田さんのことをクラス全員の人たちが見下していた。



「なんにもしないで見てたヤツらのほうがよっぽどたちが悪いだろ!」と、森元が威圧的な声を出したところで、学校委員長の戸上さんが制止した。




「そうやって脅すような言い方はやめなさいよ」


「は?言っとくけど戸上だって俺らが幾田いじりしてる時、『うるさくて勉強の邪魔なんだけど』って言うだけで、幾田のことを庇ったりはしなかったよな?」


「……そ、それは」


「お前だって俺たちと一緒だよ」


森元の瞳が蛇のように鋭くなった。