結局、収拾がつかないまま授業がはじまり、4時間目が終了しても高野くんの身にはなにも起こらなかった。
誰もがやっぱり呪いなんて存在しないのではないかと、疑いはじめてきた頃、私は廊下で鈴木先生に会った。
先生は今朝のホームルームでも淡々としていた。昨日の麻生さんのことといい、高野くんの動画のことといい無関係ではないはずなのに表情をひとつも崩さない。
「先生は、動画見ましたか?」
すれ違い様に、私は問いかけた。
「通知がたくさん来てましたよね?」
おそらく動画関連のみんなのメッセージを合わせると40件以上。ライングループの中で唯一の大人である先生は、わざと動画のことを見て見ぬふりをしている気がする。
「昨日もバタバタしててスマホなんて触ってる時間はないよ」
たしかに今日も警察の人が学校に来ると言っていた。
「昨日の麻生さんのこと、ただの転落事故ではないです。ラインに予告動画というものが送られてきて、麻生さんは予告されたとおりに亡くなりました」
誰も信じてはくれないだろうけど、これは実際に起きてしまったこと。



