次の日。A組の雰囲気はどんよりとしていた。
昨日の動画の余韻が消えない人。また同じことが起きるのではないかと不安な人。麻生さんのこともあり、動画自体を見なかった人もいるようだ。
「みんな大丈夫だって!俺は絶対死なないから!」
そんなクラスメイトたちを気遣っていつも以上に元気だったのは、予告された高野くんだった。
「っていうか、あの黒いフードの人って誰なの?本当に幾田さんなのかしら」
学級委員長である戸上(とがみ)さんが冷静に言う。戸上さんは成績もつねにトップで、この個性が強いクラスのまとめ役でもあった。
「死んだヤツが生き返るわけないだろ。つーか、動画でああいうことをされてもやられてる本人は傷ひとつ付いてないわけだし、現実的に考えてあの黒いフードのヤツはなにもしてないってことになるんじゃね?」
と意見を主張してきたのは、金髪にピアスをした森元だった。
「でも、次の日には同じように唯菜が死んだじゃない!」
まだ麻生さんの死を受け入れられていない畑さんが話に入る。
「偶然が重なっただけだろ」
「は?本気で言ってる?唯菜の身体が勝手に動いていたのはどう説明するのよ!」
「うるせー!俺にキレてんじゃねーよ!」
森元と畑さんが言い合いになったところで、みんな言葉を探すように黙ってしまった。



