心臓の鼓動が鳴りやまない。
そのノコギリで、なにをするつもりなの……?
「あず怖いよ……。この人って本当に幾田さんなの?」
たしか幾田さんの身長は私と同じで160センチ前後だった。でも動画だと遠近法で背丈がどのくらいなのか分かりづらい。
それに体型を隠すためなのか黒いフードもサイズが大きいものを着ていて、まだあの人物が幾田さんなのかどうか判断するのは難しかった。
と、その時。黒いフードの人物が高野くんらしき人の髪の毛を引っ張った。
グイッと持ち上げられた顔は、間違いなく高野伸也くんだった。
目は虚ろで、表情はない。けれど、やっぱり人形やCGには思えなかった。
黒いフードの人物は、ゆっくりとノコギリを高野くんの首に当てる。
そして、スローモーションのように刃先を上下に動かすと、鋭いノコギリが皮膚に侵入していき、高野くんの制服が真っ赤な血で染まっていく。
「ぎゃあああっ……!!」
叫び出す高野くんは足をジタバタとさせた。それでもノコギリを動かす手を止めることなく、徐々に切り進めていく。
「やめ、て。……やだ、いたい、熱い、やだ……し、ぬ」
高野くんの周りがどんどん血の海になっていき、ジタバタする力も弱まっていった。
「う……気持ち悪い……っ」
ちづはその光景に耐えることができなくて、動画から目を離した。



