予告動画




ドスッ……という鈍い音。私はうなだれるようにしてその場にしゃがみこんだ。



「うう、なんで、なんで……っ!!」

そう叫び声を上げると、再びあの音が耳の奥でこだまする。


【あと0人】

【予告動画 終了】


そのメッセージを見た瞬間、私は自分のスマホを勢いよく壁に投げつけた。ガタッと跳ね返ったスマホは、冷たいコンクリートの上で裏返しになっている。



「もうやだ、なんで、なんで私が……っ」

地面に額をつけてうずくまっていると、誰もいないはずの屋上に足音がひとつ。
 

スタスタと、ゆっくりと音は私に近づいてきていた。


私は静かに顔を上げた。


そこには黒いフード姿ではなく、制服を着た幾田さんが立っていた。


私は、驚かなかった。


きっと幾田さんはクラスメイトを予告しながら、私たちのことをつねに見ている気がしていたから。

 
「ねえ、幾田さん。私も予告してよ」 

「………」

「お願いだから……」


私は涙ながらに訴える。でも返ってきた返事は……。



「しない。木崎さんはしない」


幾田さんは迷うことなく、そう言った。