すぐに見えてきたA組というクラス表示。
閉まっていたドアを静かに開けると、再び心臓が跳び跳ねた。
乱雑に散らばっている机や椅子。姿はないけれど、くっきりと床に人の身体の痕が残っている。
――『みんな落ち着こうよ!スケコの呪いなんて絶対にないから!俺はまだ生きてるわけだし、ギスギスしないで仲良くやろうぜ』
あの時はまだ、呪いなんて信じてなかった。もちろん予告されていたお調子者の高野くんも。
それから高野くんが制裁されて、クラスメイトたちは恐怖に怯えた。
『俺は悪くない』『私もタイミングが合えば止めようとしてた』と、幾田さんに許しを請うた。
けれど、次に届いた幾田さんからのメッセージ。
【追い詰められるのってどんな気分?】
【苦しい?逃げたい?】
【でも、逃がさない】
思えば、それこそが幾田さんの心の叫びだった。
天井や壁に貼られた学年新聞にはまだ血痕が付着している。
予告動画の怖さが生々しく残っている教室へといち早く足を踏み入れたのは……ちづだった。



