楽しい時間はあっという間に過ぎて、いつの間にか外は夕暮れ時になっていた。
「今日、泊まっていく?」
「へへ。最初からそのつもり」
ちづが笑ってカバンから歯ブラシセットを取り出す。
今日は一晩中喋ろうと盛り上がっていると、前園さんから連絡がきた。どうやら、私の家の近くのコンビニにいるらしい。
せっかくだから前園さんも誘おうと、私たちはコンビニに急ぐ。サプライズで行ったため、レジに並んでいた前園さんは驚いた顔をしていた。
「今日、前園さんもうちにおいでよ」
「うん。お菓子もあるよ!」
「はは、そうなの?」
私とちづの息がぴったりと合った誘いに、前園さんはクスリする。そして、前園さんもこのままうちに来ることになり、私の自宅まで並んで歩いていると……。
「ねえ、久しぶりに学校行ってみない?」
ふと、前園さんがそんな提案をしてきた。
「……学校?」
「うん。結局あんな形で夏休みを迎えちゃったし、いつ登校できるようになるか分からないじゃん?だからどうかなって」
たしかに、まだ置きっぱなしにしている荷物もたくさんある。
「私はいいけど、ちづは?」
学校は嫌でも予告動画のことを思い出す場所だし、昨日過呼吸になりかけていたから心配になった。
「……うん。私も行きたい。ちょっと教室に用もあるから」
3人の気持ちが同意したところで、私たちは方向転換をして学校へと向かうことになった。



