「えー知らない人と遊ぶのイヤなんですけど」

「っていうか、これから海いくんじゃないの?」


年齢もバラバラに見えるし、派手な女子も数人交ざっていた。


森元はやっぱり外で繋がっている人たちの中でも中心人物像のようで、まるで王様のように足を広げてベンチに座っていた。



「海なんかよりも、今日はもっと面白いもんが見れるからよ」

森元はそう言って、仲間たちをこの場に留まらせている。



……なにを考えてるんだろう。

暑さのせいで、頭が回らない。


その内、誰かが黒い車に乗ってきて、ドアや窓を全開にして音楽をかけはじめる。


ドンドンッという音の振動。

何語だか分からない早口のラップが繰り返し流れると、みんな踊ったり、食べ物を広げはじめたり、地面の上に次々と座っては、なにかのパーティーのように騒ぎだす。


この状況に痺れを切らせたのは……私だった。



「ねえ、どういうつもり?」



以前の私だったら、こんなに怖そうな人たちの間をすり抜けて、森元に文句を言うことなんてできなかったと思う。



「お、最近ヒステリックな木崎じゃん」


……イラッ。

森元はお酒でも飲んでいるかのようにテンションが高かった。