途中で見失いそうになりながらもなんとか追い付いて、畑さんは歩道橋の上で足を止めてくれた。
「なんで追いかけてくるわけ?」
畑さんがくるりと振り向く。
歩道橋の下ではたくさんの車が行き交っていて、クラクションやバイクの音が響いていた。
「……心配だったから」
「お人好しだね」
畑さんはそう言って、歩道橋の手すりを握る。
畑さんとふたりきりで話すのは初めてだし、お互いに苦手意識があったことは確かだと思う。
でも、追いかけてきたのは勢いだけじゃない。それを畑さんも感じ取ってくれているのか、私のことを無視して帰ったりはしなかった。
「あのふたりのこと置いてきてよかったの?」
おそらく、ちづと前園さんのことを言っているんだろう。
「うん。平気だと思う」
今頃ふたりで話して和解してくれていたらいいけど。
「……今さら聞いても仕方ないことかもしれないけど、なんで幾田さんにあんなひどいことをしてたの?」
主犯格は麻生さんだったけど、同じように畑さんもいじめていたことは事実。
私は教室内の出来事しか知らないけど、きっと見えないところでも幾田さんは数々のことをされていた。



