「やめてよ!」と、仲谷さんがすぐに止める。
「そっちだって私のこと友達なんて思ってないんでしょ!?友達じゃないならいらない。今すぐ消えてよ!」
冷静じゃない畑さんは本当に動画の再生ボタンを押そうとしていた。
「歩実が先に消えるべきでしょっ!!いつも偉そうにして、こっちこそうんざりだったのよ!」
畑さんからスマホを奪おうと磯山さんも立ち上がる。
修羅場、と言っても大袈裟じゃないほど揉み合いになっていて、私は慌てて間に入った。
「3人とも少し落ち着きなよ!」
「部外者は黙ってて!!」
私は畑さんに思いきり突き飛ばされて、ガンッと本棚に身体を打ち付けた。
「あず、大丈夫……!?」
「ハア……う、うん。平気」
狂気に満ちた3人の様子に私たちが圧倒されていると、突然、仲谷さんと磯山さんの動きが止まった。
「……あ、あ、あ………」
なにやら青ざめた顔をして右手を気にしている。と、次の瞬間……。
ドスッと鈍い音がして、気づくとふたりの両手首が床の上に落ちていた。
「きゃあああああっ……あああ!!」
辺りは血まみれになり、白いカーペットが真っ赤に染まっていく。



