結局、私たちはなんの話し合いもできずにそのまま解散することになった。
「ちづ、なんでさっき前園さんのことを止めたの?」
帰り道。私はちづとふたりきりで夜道を歩いていた。
前園さんのことが心配で一応メッセージを送ったけど既読にならない。
きっとちづが制止したことで、自分の行動が否定されたと思ったのだろう。
でも、あれはどう考えても森元が悪いし、前園さんは正しかったと思う。
「……武政たちも言ってたでしょ。森元はヤバいヤツだって。だからあんまり刺激しないほうがいいと思って」
「……本当にそれが理由?」
「うん。そうだよ」
ちづは迷わずにニコリとした。
なんだろう、この感じ。
ちづが嘘をついているって分かるのに、これ以上聞かないでと言わんばかりに壁を作られてしまってる。
ちづはなにか、私に言えないことがある?
初めてちづに対して疑問が芽生えた瞬間だった。



