「動画を再生してる人はこの中に確実にいる。もしかしたらそれはひとりじゃないかもしれないけど、それでも幾田さんがあと6人ってメッセージを送ってきた以上、これからも予告は続くってことなんだよ」
「そんなの今さら言われなくたって分かってるから。っていうか、ずいぶんあんた態度がでかくなってない?二軍の分際で偉そうにしないでよ」
畑さんとの言い合いも平行線のまま。そんな中で、前園さんが私たちの横を通りすぎる。
スタスタと足音を響かせて、向かった先は……。
「ねえ、幾田さんが飛び降りた直後の様子を動画に撮ってたって本当なの?」
花壇の石ブロックに座ってあくびをしている森元の前だった。
「なにが?」
「なにがじゃないよ。生きてたのに見殺しにしたんでしょ」
「……ち、あいつら」
あいつらとは武政と井口のことだろう。仮にも一緒にいた仲間が死んだっていうのに眠そうにあくびをしてるなんて、本当に森元の神経を疑ってしまう。
「見殺しにしてねーよ、撮りはじめて数分で死んだし」
「それが普通のことじゃないって分かってる?」
「はは、普通だろ。今どき誰だって珍しい現場に出くわしたらスマホを向けるじゃん。お前らが空とか花とか猫とか下らないものを撮ってんのと一緒だろ」
反吐がでる、とはまさにこのことだ。



