「姿を現さずにやりたい放題なのがそもそも卑怯なんだよ!文句があるならゾンビにでもなって殺りにくればいいだろ?」
武政も森元と考えは同じ。
追い込まれれば人は取り乱す。取り乱だせば弱さが露(あらわ)になる。
じゃあ、助けてほしいとあの時幾田さんがお願いしたら、みんなはいじめることをやめただろうか。
答えはきっと、NO。
みんなその姿でさえも、笑ったと思う。
「……っ」
と、その時。井口が突然頭を抱えて地面に寝転んだ。
「うわあああっ……!!」
まるで悶え苦しむようにして、叫び声を上げる。
「い、井口?」
駆け寄ろうと足を前に踏み出したところで、同様に武政も倒れこむ。
「な、なんだ、これ、痛い、ぎゃああ……っ!!」
よく見るとふたりの頭部が徐々に陥没していって、まるで金属バットで容赦なく叩かれてるみたいに。
「ご、ごめん、なさい……ごめん、なさい……」
井口くんは泣きながら同じ言葉を繰り返す。



