血の気が一気に引いていく感覚。
想像しただけで、吐き気がした。
「それを自慢気に俺たちに見せてきたよ。その時に、あ、こいつは頭がおかしいって思った。でも言えるはずもなくて頭がヤバいヤツだからとにかく敵に回さないようにしようって大人しく従ってた」
まだ激しい鼓動が鳴りやまない。
どうして、復讐が動画という形なのか、ずっと考えていた。
でもここに答えはあった。
クラスメイト全員からいじめられて、死んで楽になろうと身を投げて、その様子さえ笑って動画に撮られていた幾田さん。
きっと、命が途絶える瞬間まで、私たちひとりひとりのことを頭に思い浮かべたはずだ。
からかってきた人、暴力を振るってきた人、罵倒してきた人、無視してきた人、自分のことを見下してきたA組全員のことを恨んで恨んで、目を閉じたはず。
森元がすぐに救急車を呼んでいれば幾田さんは助かったかもしれない。
そこから謝罪をしてやり直すなんて不可能だったかもしれないけど、それでも幾田は最後の最後まで恨みを抱えながら亡くなることはなかったかもしれないと考えると涙が出る。
「だからすべての元凶は森元なんだって!あいつさえいなければ……」
「それは違うでしょ」
私は強く言い返した。



