次の日。教室の雰囲気はいつも以上に騒がしかった。
朝のホームルームが終わり、休み時間になっても会話が途切れることはない。もちろん飛び交っているのは昨日の動画についてだ。
「これ作り物にしては本当によくできてるよな!」
ほぼ全員のクラスメイトが目にした昨夜の動画。どうやら担任の鈴木先生は期末テストの丸つけでまったく騒動に気づいていなかったらしい。
『せんせー、動画見てみてくださいよ』なんて、勧めている人もいたけど、『クラス専用のラインで遊ぶんじゃない』と叱られて、結局先生はまともに取り合ってくれなかった。
1時間目の授業がはじまるまであと10分。
いつもなら廊下に立つ生徒たちも今日はクラスに留まり、あちらこちらで動画を再生しては、『きゃあああ……っ!』という麻生さんの悲鳴が響いていた。
「もうみんな見すぎだから」
当の本人である麻生さんは呆れながらも顔は笑っていた。



