「だから幾田さんが自殺したあともいじめを認めずに調査をしなかったんですね」
「当たり前だろ。自殺なんてされたら尚更いじめの事実を隠すしかない」
先生はいじめをなかったことにした。
そして私たちもあの出来事をなかったことにしてきた。
正しくないことをしていたのは、間違いなく私たちのほう。
〝追い詰められるのってどんな気分?〟
ふと、幾田さんに問いかけられた気がした。
「そもそも自殺って俺、弱い人間がやることだと思ってるから。幾田は単純にお前たちのいじめに勝てなかっただけ。なのに、こうしてセコいやり方で復讐とか俺は本気で幾田の神経を疑ってるし、俺は予告される筋合いはない!」
先生が怒り狂ったように声を荒らげた。
「俺は誰がなんと言おうといじめに加担してないし、幾田に恨まれる覚えも……」
と、その時。先生の唇が止まった。
「……どうしたんですか?」
「ぐはっ……!」
先生が胸を押さえると、突然口から大量の血を吐き出した。



