『幾田みたいなヤツが案外エロいやつ着けてたりするんだよな』
『じゃあ、透子じゃなくてスケコじゃん!』
『やべえ、スケコ!あだ名決まった!』
どっと湧き立つ教室の空気に、今度は派手な女子グループの人たちも参加する。
『じゃあ、私たちが確かめてきてあげるよ』と、無理やり幾田さんをトイレに連れていき、『ベージュだった』と報告すると再び一年A組は笑いに包まれた。
その日以来、幾田さんはスケコと呼ばれるようになり、毎日下着の色を聞かれるようになった。
男子たちは下ネタでからかい、女子たちはそんな幾田さんをバカにしたように煽る。
最初はきっと小さな〝いじり〟だった。
でもだんだんとエスカレートしていき、スケコというあだ名が残ったまま『ブス』『キモい』『消えろ』という凶器の言葉に変わり。
からかうことに飽きた男子たちが別のことに関心を向けても、女子はずっと幾田さんのことをいじめていた。
その主犯格といえる人物が、先ほど奇妙な動画に映っていた麻生さんだった。



