月明かりの下の舞踏会



「じゃあ、毎年このお屋敷に町の人を呼ぶようにしたのもあなたなの?」


「もちろん。じゃなきゃ……君を探し出せないもの」


寂しそうにそう言って私の髪にキスをした。

じっと私を見つめる真っ赤な瞳は、私を捉えて逃がさない。

いや、もう逃がす気はないんだ。


「俺達はここに住み着く悪魔だから、森の外には出れない。だから、森を通った人間に噂を吹き込んで町に情報を運ばせた」

「悪魔って何かに縛り付けられるようなものなの?」

「ああ。君という愛おしい人に心を縛り付けられた悪魔さ」

「そ、そんな幼い頃の私なんかに恋して、私が変わってたらどうするの?」


そうだ、恋したのは幼い頃の私であって今の私ではない。

そんな急に言われたって困るものは困る。


「大丈夫だって自信あった。だって君も俺を……王子様を探しにこの森に何度も足を踏み入れてたくせに」


その言葉に顔が熱くなっていくのが分かる。

どうして、どこでそれを見ていたっていうの。