バサリと翼が羽ばたく音が聞こえた、そう思っていたら吹き荒れていた風が止んだ。
恐る恐る目を開けると、視界に入り込んで来たのは窓から月明かり差し込む静かな一室。
壁に掛けられた十字架の棺と、部屋の真ん中に置かれた大きなソファ以外は物は置かれていないシンプルな部屋だった。
呆気に取られていると、ゆっくりとソファに下ろされたかと思うとそのまま倒された。
ライズの真っ赤な瞳が怪しげに燃える。
その瞳を見ると何故か体の力が入らなくなって……
甘い甘いあの香りが体を痺れさせていく。
ゆっくりゆっくりとライズの顔が私の首元へと近づいてくる。
「君の美味しいその血……いただくよ」
そう言って首に吐息を感じた、次の瞬間。



