そんな私の思いとは裏腹に 「行くぞ」 と声を出して了雅は背を向ける。 私にはもうそれが耐えきれないほど辛かった。 「分かってるなら、どうして言ってくれなかったの?」 そんな叫び声が廊下にこだまする。 了雅は一瞬目を見開いたかと思うと、いつものポーカーフェイスに戻す。 「お前、今日の放課後は空いてるか」