いつの間にか呼び方が“優希奈ちゃん”から“ユキ”に変わっていた。でも悪い気はしない。
むしろ女友達ができたようで嬉しかった。
「私はまだメンバーのこと、3人くらいしか知らないんだよね。ケイは?」
「私は龍臣かな。チームに入ったのも、龍臣の強さに憧れたから。私自身は暴力が嫌いだから滅多に参加はしないけどね」
「そうなんだ。私も暴力はなるべくやめて欲しいと思ってる」
「ユキも? ホント男って野蛮よねー。暴力が格好いいとでも思ってるのかしら」
頬に片手を当て、ケイは綺麗に整った眉をひそめた。
「ユキが知ってる3人……。龍臣と海里と──春馬君かな?」
「うん、そう」
「この3人の中だったら誰が好きなの?」
「え?」
その3択に戸惑った私は目を泳がせた。
「いや……みんなそれぞれ、良いところがあるよね」
強引な感じの如月先輩は、優しいときはとことん優しいし。
一見冷たそうな海里は何だかんだでいつも助けてくれるし。
小悪魔っぽい春馬君はどこか裏がありそうだけど、基本、明るくて可愛いし。



