「もしかして、海里は私と付き合ってると思ってないとか……」
あり得そうで怖い。
以前から、海里は『彼女は必要ない』と言っていたくらいなのだから。
「それはさすがにないんじゃない? 照れてみんなの前では、そういう態度を取れないだけじゃないのかな」
「そう、なのかな」
ケイの言うとおりならいいのだけど。
「明日はバレンタインだし、それとなく伝えてみたら? ユキの気持ち」
「うん……そうだね」
「それでも駄目なら、海里に直接『私がユキのこともらうから』って言ってあげる」
悪戯っぽく笑い、ケイは私の髪を撫でた。