Snow Doll ~離れていても君を~


遠ざかっていく彼の背を見つめ、追いかけるかどうか一瞬躊躇う。


私……、本当に一緒に行っていいの?

桜花に戻って、みんなとまた過ごしてもいいの?

そう、尋ねようとしたとき。


「帰るぞ、優希奈。あんたの居場所は桜花だろ?」


引き返してきた海里が私の手を繋ぎ、自分達の帰る場所へ歩き出した。







私は何日かぶりに桜花高校の門をくぐり、海里と一緒に青空を背景にした校舎を見上げていた。


ようやく、帰ってこれた。

私と、それから、海里達みんなの大事な場所に。


ふと海里が振り向き、私のことをじっと見つめてくる。


「……会いたかった」


吐息のように海里が言い、私を強く抱き寄せる。

今まで会えなくて我慢していた分まで、抱きしめるかのようだった。

その強さに、海里の気持ちが痛いほど伝わってくる。

胸元に頬を寄せると、少し速い鼓動を感じた。



「離れていても、ずっと優希奈のことを想っていた」

「本当、に?」


あまり自分の気持ちを言わない彼だから、私のことを想っていたとか、実感がまだそこまで湧いてこない。